Monthly Archives: 8月 2016

ホイスコーレ日記18

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第18回目:スナック

学校の近くにあるスーパーまでは、歩いて一時間。コンビニまでは40分。そんなへんぴなところにある学校なので、色々なことが校内で完結できるように一通りなっています。

その中の一つが「キオスク」。購買班が(いつの間にか)いて、週に何回かお菓子や飲み物をスーパーに買い出しに行きます。そして、夜食後にキオスクをオープンして買い物ができます。この時僕は季節外れで大幅値引きされていた「クリスマスカウントダウンチョコレート」と、「チョコマシュマロバナナ味」「バナナガム」を買いました。確かこれで800円くらい、物価は高いです。

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平日の15時にはスナックが用意されます。これはアナウンスがないので、各自作業の手を止めてキッチンに行きます。行き遅れると無くなります(笑)

ホイスコーレ日記17

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第17回目:アイススケート

僕は生まれも育ちも関東で、アイススケートなんてやったことがありませんでした。学校の裏手には小さな池があり、冬の間はアイススケート場として使われています。

「ちょっと氷が薄くなってきたけど、なんとか大丈夫でしょう!」

週末先生が提案をしてくれ、みんなでアイススケートをしました。
さすがデンマークの子達はみんなうまい!池を何周も、軽やかに滑っていましたが、僕は「バンビ」状態。足を震えさせながら両手を支えられて何とか立っていられる状態がやっと。

いやいや!でもいい経験ができたな。

その後、学校のウェブサイトに「まるでバンビのように!」と書かれたのは言うまでもありません。

ホイスコーレ日記16

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第16回目:グループワーク

個人の作業が授業の大半を占める中で、何度かグループワークも行われます。学科問わずランダムに作られたグループにはそれぞれ課題が渡されます。この時は期間が3日間、お題は「西暦1000年の世界に、1000年後からモノが届けられた。それをみた過去の人々は何をするだろうか?」というような感じだったと思います。で、これを演劇にするんです!

僕らのグループにはデンマークではお馴染みだという「レモンケーキ」が渡されました。

レモンケーキ…。
演劇…。

そして、言葉の壁。デンマーク語で話し合えばすぐに済む問題も、お互い慣れない英語でなんとか進めていきました。誰も置いてきぼりにならないように、ある子は自然と全体をまとめる係になり、ある子は資材を集める係になり…。なんとなくチームワークが形成される中、僕は足手まといにならないように必死でついていくのが精一杯でした。

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でも、着々と進む作業にみんなは少しずつ笑顔に。そうそう、ものづくりって初めが大変なのはどんな時も一緒だよね。ちなみにこの演劇、「舞台演出」「セリフ」「服」「音楽」「舞台セット」、とにかく全部作ります。みんな本気です。

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他のグループも着々と進んでいきます。
そして僕らのグループは「言葉を使わないで、身振り手振りだけで進めよう!」ということになりました。それは僕がいたことも大きく影響しているとおもいますが、演劇の内容が「神秘的な」ものだったので、それを引き立たせるのにも一役買ってくれました。

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着々と作業が進む中、直前に新しい課題が。
「明日の夕食のテーブルをデコレーションすること。それはそれぞれの演劇と関連性のあるデザインであること」
みんな唖然、けどやるっきゃない。

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そして演劇はなんとか大成功!評判も上々でした。
また、ここでグループになったメンバーとは、最後の最後まで助け・助けられというのを繰り返すことになりました。時に精神的な面で、時に技術的な面でお互いをサポートし合いました。

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そのあとはパーティー!日本の文化にはないことだったのでかなり驚きました。そしてこれはほぼ毎週末に行われることになります…。その話はまた別の機会に。

ホイスコーレ日記15

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第15回目:冷蔵庫大好き

日本を離れてから僕はいつもお腹を減らしていました。多分それは「お米がないから」。ごはんはお腹にたまるけど、パンはお腹にたまらない。それが僕の悩みでした。あと、味付けも日本の「だし」みたいなものが足りなくて、いつも物足りなく感じていました。

それでも、大好きなバターやチーズをたっぷりとつけたデンマークの「固いパン」は、最初こそなれなかったもののどんどん好きになっていきました。昼食や夜食で余った食材はキッチンに保存され、いつでも自由に食べていいんです。デンマークの乳製品はどれも美味しい!

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こちらはコーヒーと紅茶マシーン。いつでも飲み放題。僕はこのコーヒーにたっぷりとミルクを入れて飲むのが好きでした。週末は朝一に起きてコーヒーをいれて、静かに過ごすのがちょっとした楽しみになりました。

ホイスコーレ日記14

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第14回目:授業以外の時間

このホイスコーレでは、毎朝7:45分から朝食が始まり、8:30に授業がスタートします。そこから1日中自分の課題に没頭していれば良いわけではなく、色々な行事・仕事が組み込まれています。

1つ目が冒頭写真のプチ講演会。毎日12時から「サムリング」と呼ばれる30分間のプレゼンテーションが行われます。学校の先生が好きなことを発表したり、外部から講師の先生を呼んだり、アートに関係することや政治の話だったり、それは多岐にわたります。課題の追い込み時期には「あー、サムリングかったるい!」と、作業を中断しなければいけないことにフラストレーションを覚えることもありますが、一度頭を強制的にリセットするという意味ではとてもいい時間だと思います。

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2つ目がキッチンDuty。食前に配膳をしたり、食後は食器を片付けて洗って掃き掃除をしたりします。これも時間を取られるので、課題の追い込み時期にはかなり評判が悪いです(笑) けれどここは共同生活をしている場所。そして「自分の家のように」生活している場所。掃除や洗濯はもちろん自分たちが当番制でやったり、自分でやったりしなければいけないんです。

そういったことが、ホイスコーレが本来持つ「生涯学習」や「自立」という目的を達成するために機能しているんでしょうね。ただ勉強しに来ているわけじゃない、誰かと一緒に生きていくということはどういうことなのか。

ホイスコーレ日記13

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第13回目:授業開始

オリエンテーションが終わった次の日から、それぞれのコースの授業が始まりました。僕が入ったグラフィックデザインのコースでは、アルファベットを使ったポスターとカードを作りました。どちらもコンピュータの使用禁止、手作業でやること!というのがルールでした。

Poster – Playing with Alphabets
Card with Paper Cutting

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毎週金曜日の午後は特別な行事がなければコースと全体の講評が行われます。ホイスコーレの方針として「批判・否定はしない」というものがあるので、基本的には良いところをピックアップして評価してくれます。しかし、講評以外の時は別。「これは汚い!」「なんでこんなことになってるの?」「もっと他の案も出してみようか」自分でも気になっていたり、普段諦めていたところを的確に指摘されてびっくり。でもそれを直していくとどんどんクオリティが上がっていくのを実感しました。

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こちらはグラフィックの講評の様子。先生が机の上に乗ってしまっています(笑)

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こちらはアーキテクチャ。モデルを作ったようです。

余談ですが、このホイスコーレは初日から最終日までの予定がしっかり決められている、デンマークでも珍しいホイスコーレです(冒頭写真参照)。それがこのホイスコーレが良いと評価される理由の一つだと思います。

ホイスコーレ日記12

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第12回目:住民登録もろもろの手続き

デンマークでは、外国人は住む場所が決まったら「コムーン」と呼ばれる役所のような場所に住民登録しなければいけません。これをしないとホイスコーレに通う留学生の場合、留学ビザが有効にならないだけでなく、CPRナンバーと呼ばれる個人番号がもらえません。あと、保険証の発行もできません。デンマークでは数年前に行政のほとんどの情報をこのCPRナンバーと紐付けたため、これがないと国からの大事なメッセージやカード決済、銀行口座を開設する場合などに必要となり生活に支障がでます。

前置きが長くなってしまいましたが、住所が定まって5日以内に提出しなきゃいけないと聞いていたので、到着早々に一番近いコミューンに住民登録に行ったのでした。

学校からバスで40分、片道450円!毎度毎度お金が飛ぶなー。

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街はこれまた静かで小さな店がたくさん開いていました。Randers(アナス)というこの街は、学校際最寄りの駅がある街であり、デンマークで3番目?に大きい街でもあります。

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学校のオフィスで聞いた情報とGoogleマップを頼りになんとかコムーンに到着、入り口にある整理番号発行機の表示が読めずに周りの人に助けてもらいながら、住民登録、一時滞在者用のパスポート発行手続き、インシュランスカードの申請をしました。あと、かかりつけのお医者さんの登録も。日本にはないシステムですが、デンマークを始めヨーロッパの国ではよくあるシステムらしいです。まぁ、結局行きたいところに行っていいようなのですが、適当にドクターを選んでもらいました。

このあと一週間くらいして一時滞在者用のパスポートが登録住所に届きます。けど、1ヶ月待ってもインシュランスカードが届かないのでコムーンに連絡をしたら「あ、手違いで手続きが止まってました!ごめんね」と言われてびっくり。疑問に思ったらすぐに突っ込みましょう。ここは日本じゃないんだなぁと思いました。その一週間後、無事にインシュランスカードも届きました。

ホイスコーレ日記11

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第11回目:Facebookを使うんだ

当然ですが、校内放送はありません。デンマークではパブリックスペースで大きな声をあげて何かを伝えるといった場面にほとんど出会いませんでした。なので、僕らデンマーク語がわからない人にとっては「その辺で何かが起こっていて、突然何かが始まって終わっている」という状況になることもしばしば。

そこで活躍するのがFacebookグループ。ここでいろいろなことが伝達されます。学校が始まるとすぐに「全体」と「各コース」、そしてそのうち話が出るかもしれない「部屋のグループ」の3種類が作られていました。

「今日は○時から△△で映画を観るよ!」「明日近くの町まで行きたいんだけど、誰か車出せない?」「今週の課題で誰かモデルになってくれる人を募集中」「今Wi-fi止まってます」「購買が空いたよ!」「次の人たちは明日までにオフィスに来ること!」「スマホをどこか学校に落としちゃった!」「明日の授業はいつもと違う教室で」などなど、どうでもいいことから結構大切なことまでいろいろです。

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こちらは授業を休むときのルール。この学校の場合、トータル3回以上無断で欠席するとペナルティーが与えられます。理由がある場合は必ず欠席シートを書くこと!と掲示されていました。Facebook以外に特に重要なことは紙ベースで掲示板が利用されます。両方確認することが結構大切。

ホイスコーレ日記10

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第10回目:オリエンテーション

学校に到着してから食堂に全員で集まり、オリエンテーションが行われました。
そのあと学校の周りをぐるっと一周。近隣は牧場や林で何もなく、広い土地をみんなで歩いて帰って来ました。「この道をあと30分くらい歩くとセブンイレブンがあるのよ」と先生が教えてくれましたが、結局僕は一度もそこを利用しませんでした。

夜食のあと自己紹介をし、それがが終わると早速課題が。「ここにあるマテリアルを自由に使って、君の思うヒーローを作るんだ!」
この辺の写真は学校のフェイスブックにアップされていますので割愛。そして、これには一体どうしたらいいのかとみんな戸惑っていました。うまくできた子もいれば、なかなか形にできない人も。

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学校の一部外観はこんな感じ。建物はいくつか分かれていて、4コースそれぞれ専用の建物、オフィス、寄宿舎、ホールと食堂のある建物、ジムと写真・焼き物ができる建物です。

ホイスコーレ日記9

デンマークのDen Skandinaviske Designhojskole に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

第9回目:学校へ出発

コペンハーゲンから学校のあるRandersへ電車で向かいます。4時間半ほどかかるということで、1月10日の朝早めにコペンハーゲンを出発しました。電車代はなんとびっくり7000円(片道)。こんなところまで高いなんて!

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電車内は暖かく、アナウンスも当然ないので静かで、ゆったりとした席が整然と並んでいます。ここで問題発生、席の上には予約制のような表示が。チケットには特に何も書いてないのでどうしようか困って周りの人に聞いてみると、人が来なければ大丈夫、と言われました。結構この辺は適当な様子。実際には1等席以外は自由席のようです。多分。チケットの確認に来た人にも何も言われなかったのできっとそう。

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電車に乗っていると家々が見えなくなり、広大な土地と雪が現れ、どんどん田舎に移動しているのがわかりました。想像してたのと違う!本当にこんなんで到着できるのか…。

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電車は予告通りの時間にRanders駅に到着。ここから先の移動手段は何も考えていなかったので、よし、歩いて行ってやろうなどと思っていました。(無茶なのでやめましょう)と、なぜか聞こえてくる日本語。本当に偶然、日本の方がいらっしゃったので学校まで乗せて行ってもらえることに。なんという偶然、でもそんなところがデンマーク流。この後もこういう助け・助けられということがたくさんありました。タクシーだと学校まで片道4000円、バスは片道500円くらい、バス停まで15分ほど駅から歩きます。

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いろいろな人に助けられながら、なんとか学校に到着することができました。到着してすぐに校長先生から「ここを自分の家のように思って生活しなさい」と言われ、他の先生(女性!)がさっさと僕の荷物を運び始め、さぁここがあなたの部屋よ!と力強く案内してくれました。デンマークが男女平等の国って本当だ!