EP107 ベルリンから帰ってすぐはValgfag週だった

The 19 week – ホイスコーレ日記107
デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

いつも課題に講習にとてんこ盛りなDSDHですが、カリキュラムはよく練られていると思いました。忙しい週の次の週には、必ずと言っていいほど差し込まれてくるValgfag。ある意味リラックスウィーク、でも本気でやるとめちゃめちゃ楽しいウィーク。

 

最後のValgfagはリラックスが目的!

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6ヶ月のコースの中で3回に分けられて行われるValgfag。今回はその3回目ということで、カリキュラム中最後となりました。

最初は「楽焼」を選択し、2回目は「モーショングラフィック」、3回目の今回は「レコードジャケット」を選択しました。
ちなみに今回、他には「歌を歌う」「詩を作って朗読する」「近くの町オーフスで行われる予定のマラソン大会で、給水スポットのデザインをする」というものがありました。「歌を歌う」はまだしも「詩を作って朗読する」のはデンマーク語ができない人には相当ハードル高いです。

 

先生もやる気に満ちてるなって思う

毎回くるゲストティーチャーですが、どの方も生徒目線でやる気に満ちている人が多いなって思います。もともとデンマークでは「上下関係や男女差別」みたいなものが「存在しない」という価値観なので、当然といえば当然とも言えるのですが。そういう授業って受けている方も教える方も楽しいんじゃないかなって感じます。

ちなみに、ゲストティーチャーもよっぽど家が近くない限りは、その週学校に泊まり込みます。先生によって時間がくると自分のことをするために部屋に帰る人もいますが、だいたい夜21時くらいにもう一度顔を見せてくれて色々話をしてくれます。

 

どんな授業だった?

僕が受けた「レコードジャケット」のコースは、こんな感じでした。

・ランダムに3つのワードを受け取る
それぞれ「曲名」「アーティスト名」「ターゲット」に対応していて
曲名→ The Love of Rhinos
アーティスト名→Kitchen Knife(包丁)
ターゲット→小中学生

という感じでした。アーティスト名とターゲットは先生が用意しましたが、曲名にあたる部分は僕らが「適当に」作った言葉をシェアしてシャッフルして選んだものです。「サイの愛ってどうすりゃいいんだよ!!てか包丁ってなによ!?」と騒いでたら爆笑されました(笑)

・音楽のジャンルを決める
決まった3つの要素を考えながら、どんな音楽ならそれにマッチするかを考えました。僕はエレクトリックポップを選びました。理由は今世界的に流行っているものだから。そういうものって子供達は好きだし、ちょっと大人びたものを選ぶよね、という理由。

・ビジュアルを構成していく
いよいよジャケットを作っていきます。このときレコードが入るリアルサイズで作ってもいいし、ちょっと小さめで作ってもいい。(コンピュータを使って出力する場合、学校にあるプリンターがA3までしか対応していないので、リアルサイズを作る場合は切り貼りしないといけない)。
僕は「サイの角が乱獲されている」という記事を見つけ、「角が乱獲される前に人間が切り落とし、サイの絶滅を防ぐ」、けどきっと彼らは「憎しみや憎悪」に満ちている…。「それでも生きて、子供を守る愛」みたいなものをモチーフにビジュアル化することに決めました。色々な色が混じり合って…悔しさだったり、悲しみだったり、楽しさや明るい気持ちも…その中心には「Love = Hart」がある。

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・プレゼンテーション
面白いのがこのプレゼンテーションの部分。2人一組になって、相手ののアーティスト(依頼者と見立てる)にプレゼンする、という設定でプレゼンしていきます。例えば僕なら、相手が「Kitchen Knife」という架空のアーティストになって「なんでこのデザインにしたの?」とか「今回の曲にバッチリだよ!僕は好きなだな!」みたいなロールプレイ的なものをします。これが結構面白い。僕は「セレブなプロデューサー」をやりましたが、なんのこっちゃ!

授業はこのような流れでした。先生は都度僕らの進捗状況を写真に収めて、最後に全員のプレゼンボードを作ってくれました。

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生徒もそれぞれリラックスして作業していて、どう面白く仕上げていくか楽しそうに決めていました。シルクスクリーンを使う人、コンピュータを使う人、写真をコラージュする人、切って貼っての加工をする人…。

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講評の日

講評の日。物を作った2つのコースは展示を、それ以外はその場で発表。歌はとても素晴らしかったし、朗読は内容がわからないけどその人なりが出ているのは伝わってきて面白かったな。

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ちなみに、写真手前の方には歌の先生のご家族も。発表の日は誰でも来ていいんですね。結構家族を呼ばれている先生を何度もみました。

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みんなの前で朗読するって、やっぱり緊張します。いつもと違うその人の真面目な姿が見れて面白い。

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街のプロジェクトチームは、総評と説明がありました。

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僕らのレコードコースは、コンセプトやプロセスの書かれた紙が壁に張り出されました。

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みんなそれぞれの作品に興味津々です。

 

僕が作った作品はこちら

ちなみに、僕が作ったレコードジャケットはポートフォリオに詳細があります。よろしければこちらも合わせてご覧ください。

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THE LOVE OF A RHINO

 
 

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