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ホイスコーレ日記64:散歩

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

イースターの休みに入り、学校の授業もなく、かといって遊びに行く場所もなく、一日中Macの前に座っているのもつまらないし、ポートフォリオ用に写真撮影をし続けるのも辛い。この日は学校の周りを散歩することにしました。

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つい最近まで雪で白かった大地が少しずつ緑がかってきて、まだまだ寒けど春が着実に近づいているのを感じることができました。

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桜っぽいの花も咲きそう。

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このスカンジナビアホイスコーレがある場所は本当に田舎で、空気はきれいだし、騒音もないし、欲望を掻き立てられるような広告や、お店もない。学校の中では高速なネットも使えるし最新のMacもあるのに、一歩踏み出すと大自然というそのギャップは時に僕をリラックスさせてくれ、時に飽き飽きとさせたのでした。

ホイスコーレ日記63:受験前の静けさ

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

さて、2度目のValgfagを過ぎると、3月下旬にイースターの5連休が始まります。その連休の前に3日間だけ授業が行われたのですが、そこでは「これから何をするのか」を先生と話して計画を立てていました。なぜなら、ここから1ヶ月ほどは「受験」に向けた授業構成になっていくためです。受験をする人は受験に集中し、それ以外の人は別の課題を出されます。

技術系のホイスコーレは日本の「予備校」的な役割も担っていることが多く、このホイスコーレも例外ではありません。4月末には大学一次試験用に指定された課題を提出する必要があります。課題内容は忘れてしまったのですが…確か、1つキーワードが与えられて、それについて自由形式で回答を出すというものだったと思います。そのあまりにも「曖昧」で「自由すぎる」課題はみんなを悩ませていました。そして、この5連休はそこに突入する前の休息期間でもあります。ほとんどの子たちは実家に帰って行きました。

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この期間、学校は嘘のように静まり返っていて、何かに集中するにはもってこいの時間でした。

さて、帰る場所のない僕は学校に残って「ポートフォリオ」を作ることにしました。(この期間に準備したものの一つがこのWEBサイトだったりもします。)同時に「History」という言葉を使った課題も授業で出されていたので、モーショングラフィックの授業で勉強したことを使いながら映像も作ることにしました。Historyの映像はこちらで見ることができます。

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ポートフォリオ用に写真撮影をしているところ。3月末でもまだまだデンマークは寒い!

ホイスコーレ日記62:Valgfag

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

Valgfag、選択授業の週がまたやってきました。前回は焼き物を選択しましたが、今回僕は「モーショングラフィック」を選択することができました。全部で5種類のクラスが開講され、その他は移動式保育園をつくる、水のペットボトルをデザインする、体操とかスポーツをする、椅子をネジや釘を使わないでつくる、の5つだったと思います。

イースター前の授業かつ選択授業(選択授業は各コースの授業よりもゆるい)ので、学校はそれまでの慌ただしさが緩んで、ゆったりした一週間を過ごすことができました。

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とはいえ僕が選んだのはモーショングラフィック、全く未経験ではないとはいえ結構大変でした。映像をつくる難しさ、大変さは身をもって知っているつもりですが、出来上がった後の面白さも同時に知っているつもりです。とにかく自由に作れるっていうのは楽しい!

この授業ではAfter effectsというソフトで、特に「トラッキング」という機能を利用した映像を作成することになりました。諸事情でここで僕が作った作品を公開することができないのですが、自動でいろいろな処理を施してくれる今のソフトウェアってすごい!技術の進歩だなー、と感じました。

その時の技術なども駆使して作ったのが、ポートフォリオに公開中の映像でもありますので、よろしければあわせてご覧ください。

History of the Food

その他のクラスは何を作ったかというと…

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移動式の保育園の模型。

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水のボトルをリデザイン。「デンマークではペットボトルの水なんて買わなくてもいいのに、なんでこんなデザインしなきゃいけないの!?ナンセンスだよ!」と怒っている友達もいましたが、出来上がってくるものは相変わらずいい。

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日本の旧家屋で使用されていた「接ぎ木」の技術を使ってつくる椅子。

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スポーツのクラスは授業リスト(と先生方の顔をコラージュした写真)を公開していました(笑)毎日いろいろなエクササイズやスポーツをやっていたようです。ちなみに、これは校長先生。

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こちらはまさかのオフィスの方(笑)

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モーショングラフィックの授業作品は、全員分を一本にまとめて公開しました。みんな食い入るように見ています。

ホイスコーレ日記61:台所の話

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

もしかしたら何度も繰り返し書いてるかも/書くことになるかもしれない、色々な思い出の詰まっている「台所」。

台所スタッフの人が平日は毎日毎日、朝6時から朝食の準備をして、夕方5時には帰っていきます。掃除や料理はスタッフと生徒が折半して行い、ここでもまた、授業以外(デザイン以外)の経験をすることができます。

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この大型自動皿洗い機に何度も何度も、食器を突っ込んでは片付け、突っ込んでは片付け…をしていたのもいい思い出。

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この冷蔵庫もお腹が空いたらいっつも通っていました。
バターやチーズがいつも用意されていて、時々ヨーグルトとジャムがあった時は大喜びしました。でも、乳製品とパンばっかりで米が恋しかったのも事実ですね。

ホイスコーレ日記60:グラフのパーティーその4

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

色々自分たちのグループのことばかり書きましたが、グラフィックのパーティーでは他のステージも素晴らしいものが完成しました。

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残念ながらあまり写真がないのですが、学校のWEBページに詳細がありますので、興味のある方は是非そちらを参照してみてください。

http://www.designhojskolen.dk/en/project/category/grafisk-design/
「Staging it Qblique」という、グリーンの背景に女の子が座っている画像がそうです。

あと、もちろん金曜日なので他のコースは講評がありました。

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この週は、ファンションコースもアーキテクチャーもものすごい気合が入っていたように思います。ファッションは服を作り、写真撮影もし、プロモーションするところまでを一週間でやっていましたし、アーキテクチャーは靴をデザインしていました。

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特にファッションコース、毎晩遅くまで電気が付いていたなぁ。

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今回高評価をもらっていたのは「飴」で作った靴や、エレガントなマスク。

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校長先生の愛犬も、よだれを垂らしながらその素晴らしい靴を眺めていました(笑)

そんな、とても密度の高い一週間でした。

ホイスコーレ日記59:グラフのパーティーその3

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

あれ?なんだろう?
どんどん形になっていく…。

前回までのあらすじ。
週の初め、もらったワードから最速で「影絵」という表現にたどり着いた僕らは、「煙突掃除の人がベットで寝ていたら、突然カラスの大群に変わって飛んで行ってしまう!」ということをしようとしたら、どうしてかダンボールでち◯こを作っていたんですよね。しかも特大のものを女の子たちがせっせと切り取っている。そしてなぜだか、今回のメインシンボル見たになってきてしまったんですよね。どうしてこうなんたのだろう。

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裏方では永久にち◯こがループできる仕組みを考え、レインボーに輝くシートを作り、強力ライトを準備して、なんだか本格的にすごいステージができました。見た目は一番シンプルなのに、裏でいろんなものが動いてる。そして、元々の目的から多少(?)はずれてしまったものの、それでも一本筋の通ったものができている。こんなにスムーズな感覚でものづくりができるなんてめずらしい。

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金曜日の朝には8つのステージが完成し始めます。夜20時から始まるパーティーでは、真っ暗でなにもないグラフィック部屋に他のコースの生徒と先生が集められます。各ステージの前にはボックスがあり、それに一人一枚持っているチケットを入れるとステージが動きだす、という段取り。

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先生がノリノリで作ったボックスとアイコン。僕らのグループだけなんかおかしいんですけど…。

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この前までグラフ用の作業台があった場所に突如としてバーが誕生。

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パーティー前に視察に来た校長先生。他のグループのステージをみて、ついに僕らのステージに。「これは君のち◯こかい?」と聞かれ僕は「はい、いやいいえ!!いや、はいか?」と大混乱。「いや、これは僕らのステージですけど、これは僕のアレではないです」と取り乱していると大爆笑されました。

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かくして、パーティーは大成功?だったのかな?

ちなみに僕は盛大に風邪をひいて、そのパーティは休み週末は寝込む羽目になりました。とほほ。

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写真は友達が持ってきてくれた夜食。りんごだったら食べられるかと思って…。と二つもつけてくれた。やさしい。

もうちょっとだけ続きます。

ホイスコーレ日記58:グラフのパーティーその2

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

うーん、どうしてこうなったのか。
僕らはせっせとち◯こを作っていたんですよね、ダンボールで。しかも特大のものを女の子たちがせっせと切り取っている。

週の初め、もらったワードから最速で「影絵」という表現にたどり着いた僕らは、チムニー(煙突掃除)の人がメリーポピンズよろしく煙突の上で踊るとか話してました。けど、僕らがゲットしたワードは

自暴自棄、煙突掃除の人(チムニー)、カラス、ベッド

だったので、あんまりファンタジーの方向でもなさそう。
そこで僕らが作ったストーリーは「煙突掃除の人がベットで寝ていたら、突然カラスの大群に変わって飛んで行ってしまう!」というものでした。

なので、僕らは大量のカラスのシルエットを作ろうということになり、影絵用のスクリーンも必要だということになり。

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スクリーンを作った後でよし、きりぬくぞー!と意気揚々と、僕はカラスやら、野菜やら、とりあえず色々切り抜いてみようとリスト化したものを形にしていました。

と、そこにグループの子たちが来て「どんな感じ?」と。こんなかんじだよー、と切り抜いたものを見せるといいね!という表情と同時に「何かが足りない」というような感じ。

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そして一人がふと…「ねぇ、ち◯この形、つくってみてよ!」と言い出しました。
What???????????

「私たち形よく知らないから任せたね」
What????????????????

と、なんだかよくわからない自然な流れでとんでもない任務を任されたわけですが。というか、そもそもどうしてそういう方向に?

けれど、どうせその案は生きないだろうなんて考えながら「相手は女の子だし、あんまり卑猥な形にするのはいけない」なんてこれまたよくわからないことを考えながらそれを作ったわけです。

できたよー、と見せると。
「え?こうじゃないでしょ、もっとここがこうくびれてて…ボールももっとこう…。いいわ、もう私がやってみる!」

え!?まさかのリテイクな上に自分でやると!?

で、結果出来てくるのが…

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まさかのこの形!!すばらしい!!!
もうこうなったらやけくそだ!じゃんじゃんこの道の先を突き進もうぜ!!

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さらに効果音の演出も加わり、ますます絶好調の様子。

まだまだこの話題続きます。

ホイスコーレ日記56:グラフのパーティー

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

また新しい一週間の始まりです。
今週末には僕らグラフィックコースが主催のパーティーがあります。毎度のことではありますが、直前まで何が行われるのか誰も知らず、噂だけが流れます。このくらいのほうが気軽でいいし、力がつくよね、とこの頃には半分開き直る始末。

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今回は3人ずつ8つのグループに分かれ、それぞれが受け取った言葉をテーマに、グラフィック部屋の中に見世物小屋を作るというパーティーをすることになりました。端材・木材・ダンボール、ライトやペンキなどいろいろ使って、それぞれが舞台を作っていきます。またある人は兼任でバー係になり、グラフィック部屋の奥にバーを作っていました。ある人は音響係になり、環境音の準備をしていました。

さてさて僕らのグループは?

自暴自棄、煙突掃除の人(チムニー)、カラス、ベッド

おぉ、なんか凄い単語が集まってしまった。
早速のグループ会議でチムニーといえばメリーポピンズ!というような話が出るなか、ある一つの方向性が見えてきました。「影絵」、どうしてこの話に至ったのか忘れてしまったのですが、ブレーンストーミングを進めるうちに影絵を使って、煙突掃除の人がカラスに変身してしまうような面白い話をやろう!というようにまとまったと記憶しています。そもそも表現が実写では難しいためと、ユニークな表現方法を考えていた結果結びついたのかと。

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そして僕らはトレーシングペーパーとダンボールを使って大きなスクリーンを作り始めたのでした。

つづく。