Archives

ホイスコーレ日記40:Hallwayパーティ

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

Hallwayパーティ。これはちょっと思い出したいような、そうでないような思い出の一つです。以前にも少しご紹介した通り、88人の生徒は5つの色にグループ分けされています。色のグループごとに掃除当番やグループ会議などをすることになるのですが、パーティーの企画・開催もするんです。

僕らシアンHallwayも例外なくパーティーの企画をすることになりました。しかしこれが本当に大変!まず自由になんでもしていいので、みんな好きなように好きなことを言いまくってる。あーでもない、こーでもないと毎日授業後に話し合いをして、いつの間にかみんなクタクタ…。

th4_DSC_7569

最終的に決まったのは、いろいろなライトをピカピカ光らせるデコレーションを部屋にして、そこで踊ろう!というもの。しかし例によって僕だけ知らないいろいろな物事が…。そしてクタクタになった僕は当日欠席することになります。もちろん後から「どうしてこなかったの?」「どこにいたの?」と聞かれまくることになるんですが。

th4_DSC_7570

この辺って本人の裁量で、出てもいいしでなくてもいいんです。パーティーに興味のない子は初めから会議にも出ないし、当日は実家に帰っていたりもします。でも僕の場合は学校にいるしかないし、部屋にいるのにパーティーに来ないという状況が不思議だったのかもしれません。

「正直あんまりパーティーばかりするのは疲れるし、自分のやりたいことに集中したいよ」という話を先生に相談したこともありました。「まぁみんな若いし、ワイワイやりたいんだろうね。でも君みたいにパーティーに出ないことにしている子だって何人かいたよ」と先生。いやー、本当に自分をしっかり持たないといけないんだと思いました。出るなら出る、出ないなら出ない。別に言い訳を並べる必要なんてないので、相手に自分が何を考えているのかしっかり伝えなきゃいけないんだなって、思いました。

th4_DSC_7572

ちなみに、これはパーティー翌日。学校中はまるで嵐の後のよう!この後みんなで大掃除です、この辺も絶妙なタイミングで学校の予定に組み込まれているあたり、先生方は慣れてるなぁと思います。

th4_DSC_7574

校長室とオフィスがある建物には謎の横断幕が掲げられていました(笑)

ホイスコーレ日記39:楽焼その3

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

全日程で3週間ある、選択授業の週。初めの1週目に僕は「楽焼」を選びました。一週間の授業はあっという間に終わりました。みんなそれぞれ試行錯誤を加えながら、自由でのびのびとした発想の焼き物を作っていました。これは僕にとってはとても刺激になりました。

でも、事件が起きます。
僕が作ったマグカップが、焼き釜の土台にくっついてしまいました!原因は絵の具の塗りすぎ。絵の具は熱で溶けるガラス質のようなものでできているのですが、それが釜の中で熱されて溶けることで色と質感が出るわけです。逆にこれが多すぎて土台まで到達してしまうと、冷えて固まった時に取れなくなってしまいます。

th4_DSC_7559

くっついてしまったマグカップ。二時間ほど格闘したのですが、冒頭の写真のように底面を土台に残し割れてしまいました…。そしてこの土台はもう二度と使えないとのこと!ごめんなさいっ!そして、一緒の釜で焼いていた皆さんにも迷惑をかけてしまいました…。みんな「いいよいいよ」と言ってくれていたけれど、後で聞いたら結構怒っていたらしい…!

th4_DSC_7575

この後僕はリベンジのため、もう一つカップを作りました。けど、このカップを焼くことができるのは学校が終わる直前まで、4ヶ月間時間が空くことになります。その話はまた後日。

ホイスコーレ日記38:楽焼その2

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

全日程で3週間ある、選択授業の週。初めの1週目に僕は「楽焼」を選びました。生徒一人ひとりに自由に使える粘土を渡された後、自由に形を作ります。人形っぽい形を作る人、カップを作る人。そして軽く乾燥させた後、100度の電気釜で乾燥させます。

th4_DSC_7526

電気釜で乾燥させた後は色を塗ります。塗るものによってこの後の工程で光り輝いたり、マットな仕上がりになったりします。どうなるかは誰にもわかりません、やってみるまでわからないのがこの楽焼の面白いところです。

th4_DSC_7528

雪の降る中でバーナーを使って焼き釜を800度近くまで高温にします。ここに色を塗ったものを入れ、10分〜15分程度焼きます。

th4_DSC_7540

焼いているところ。中は真っ赤です!

th4_DSC_7542

焼き終わると火を止め取り出します。まるで歯を抜くペンチのものすごく大きいような道具を使い、一つ一つ取り出します。取り出した後は木屑に突っ込み、ある程度熱が冷めるのを待って水に浸します。

th4_DSC_7546

水に浸して取り出したものは真っ黒くゴミが付いてきたないのですが、タワシで磨くうちに本来の色が見えてきます。

th4_DSC_7547

出来上がるとこんな感じ。とても綺麗!どんな仕上がりになるのか予想ができないというのがとても好きで、この後もう少し自主的に作ることにしました。

ホイスコーレ日記37:楽焼その1

デンマークの教育施設「Den Skandinaviske Designhøjskole」に留学した時のことを写真を交えて振り返ります。

全日程で3週間ある、選択授業の週。初めの1週目に僕は「楽焼」を選びました。焼き物ですね、土をこねるところから、焼いて実際に使えるようにするところまでやります。先生は日本の焼き物に惚れて、日本に焼き物留学までしてしまったすごい人!そしてデンマークでそれを日本人に教えるという奇妙な状況に(笑)

th4_DSC_7524

とにかく僕はこれがやりたくてたまらなかったので、希望用紙に「どうしてもどうしてもどうしてもやりたいんです!お願いします!」とでかでかと書きました。日本でも最初から最後の工程までやらせてもらえる機会は少ないだけに、ここでやらねばいつできる、と。

th4_DSC_7525

もちろん、たった一週間では深いところまではできません。形の美しさとか、技法は追求されず、ホイスコーレらしい「いかに楽しんで新しい技術と出会い、体験するか」に重点が置かれています。「そんなのもの足りないよ!」と思うかもしれませんが、自由にやっていいっていうのが一番難しくて楽しいです。なんでも作っていいんです、いくつでも作っていいんです。そりゃ面白いですよ、だって誰も僕が作っている何かにストップを入れて、あーでもないこーでもないと言ってこないんですから。どうやって綺麗な形を作ればいいか、どうやって色を塗ればいいか、わからなくなった時に先生に聞くと答えが返ってくる。こんなに自由に、こんなに楽しく作れるなんて久しぶりだ!